WEL’Lの近くにヒマダコーヒーというそれはそれはクセの強い(世界観の強い)カフェがあって密かにファンだった。
幼少期から本が好きでたまらなかったであろう店主の文才光るブログも、お店で淹れられる美しいコーヒーも、シンとした空間も
全部全部心の底から惹かれた。
世の中に流されることなく、自分の想いや世界観が強いものがそのまま表現されているとうっとりする。
そんなヒマダコーヒーが先日悲しいかな閉店した。
恥ずかしくて今までファンだということを伝えられずに何食わぬ顔でお店に行っていたわたしだけど、最後の最後まで変なプライドのせいでなにも伝えられなかった。
閉店前にガレッジセールがあるとたまたまインスタで知り、導かれるかのように行って手にしたこのハサミ。
似たものがふたつあってどちらが切れ味が良いか聞いたのと、抱っこしていた息子がやたら店主の方に微笑むので、それについて声をかけてくれて何気なく交わした会話。
もう彼の世界観には触れられないのかもしれないけれど、このハサミという道具にそんな記憶を残しつつ、これを見るたび使うたびにわたしも彼のように、自分の想いと世界観を表現できる人であり続けたい、そう強く思うのである。