早いようなそうでないような、そんな感覚で気づけば4月が過ぎていく。
今月に入って突然、長男が入院している病院からコロナの規制緩和で毎週末の外泊の許可が下りた。
金曜日の午後、学校の授業が終わって長男を迎えに行き、月曜日の朝、授業開始前までに病院に送るという毎週のリズムができた。土日の面会がなくなったこともとてもありがたいし、長男と全く別だった生活から少しリズムを重ねていく感じも新鮮であり家族全員精神面において随分と楽になった。
丸1年経った病院生活は大変といえばそうなのだが、朝からバタバタして長男と喧嘩をすることもなければ栄養ある3食も病院が提供してくれる、病院の中に公立小学校も併設されていて先生方とも密にコミュニケーションが取れる今の環境はいわばなんでも揃っていて実は不満がない。毎日面会に行くことも体力的に疲れることはあるけれど、一人を謳歌できる高速道路の運転はわたしのストレス発散だったし、今は同じ病気の同志で小さな家族のようになった病室の雰囲気にも癒されているし、日常の集合意識から切り離される感覚を実は気に入っていたりする。
そんなわけでわたしなりにうまく築いてきたリズムが突如変わりつつある。変化は嬉しい。長男の嬉しそうな顔を見られることで安堵もする。だけどどうしても家事が増え兄弟が揃うことで無駄に喧嘩も多く笑、感情的になったりバタバタしてしまう不器用な自分に自己嫌悪することも多くまだ慣れないのも正直なところ。これまで心地良かったことの本質だけは残しておきながら、うまく日常に戻れるように生活を組み立てていきたいと思っている。
そんなことを言いながらもまだまだ入院生活は終わりが見えているわけでもないし、長男の脚の回復は随分スローペースだ。一時期は早く、早くと治ることに期待を重ね、月に一度のレントゲン写真を今度こそはと見るにもかかわらず、状況は変化を見せずわたしはいつも心底落胆していた。だけど、「早く治る」ことではなく「ベストな流れを信じる」、この在り方を最近になってようやく採用できるようになって今により集中できるようになった気がする。わたしは自分ができることを一生懸命やるしかない。
お店について言えば日曜日の店舗営業が難しくなってしまったのだけど、変化の中で今できることを見極めながら、起きる物事を制限ではなくチャンスと捉えて新たな生活スタイルを築いていきたい。そして余裕ある優しい母になりたい。