毎年のこと、個人的に9月から気持ち新たに物事や自分自身が進み出すことが多い。

目の前のことにのまれているとすっかりその線を曖昧にしてしまいそうで、ここだけはわたしにとって大切な節目なのでしっかり意識していきたいと朝からゆっくり自分と向き合う。

リビングに散乱したおもちゃを片付け、インスピレーションで選んだキャンドルを炊き、ちょっと元気になれそうな洋楽をかけ気持ちを切り替える。とても気分が良い。

そのあとは最近慌ただしくて最低限の予定を書き込むだけだった手帳を開くも、万年筆のインクが詰まり気味でなんだか本当に今こそ仕切り直しだなと思った。

このペンとは長い付き合いになろうとしているが、初めてペン先とコンバーターを洗浄した。(毎日使っていれば詰まることはない)

詰まっているものが流れる時、それはすごく素敵なメッセージのように感じてしまって一人でニヤニヤしてしまう。

それはまるで雨が降ったあとの虹にポジティブな気持ちを感じるように、雨が降ったからこそ生まれるそれゆえに雨そのものに感謝が湧く。大変なことやバランスを崩すことだってとても大切なことなんだ。

手持ちの大切な革製品もオイルを染み込ませ、対話をするように磨いていく。ああ、わたしはこうやって物と向き合いながら精神を研ぎ澄ませる時間がたまらなく好きだ。

少しだけ自分に余裕が持てた今日、現実はどうあれ今の自分の理想や望みをしっかり捉えられたように思う。

ちょっと色々整えよう。物理的にも精神的にも。

最後に、

隙間時間に最近読んでいるのはこの本。

著者がアートと小説の取材を兼ねてパリやニューヨーク、ロンドンなどを飛び回り現地の美味しいものを超こだわりを持って食べるのだが、読んでいると自分がそこで同じように異国を感じ心を満たしながら食べるという生きる行為そのものを感じることにたまらなく嬉しくなる。

今のわたしと言えば、息子の入院生活がおわらない限り海外には行けないのだけど、海外に行った時の高鳴るようなあの感覚をこの本を通じて感じることができることに心の底から感嘆している。日本に暮らしながらも自分の経験の記憶をたどりつつ、人の視点や景色を借りながらいつだってそのシチュエーションや感覚は感じられる。わたしは今この瞬間にその欲しい気分を味わえるのだ。

さ、自分らしさを取り戻しながら徐々にエンジンを掛け直していこう!9月はもうすぐそこだ。