生まれて初めて絵を買った。
その出会いは全くと言っていいほど意図したものではなく、青天の霹靂的な唐突なものだった。
「黒い絵の具を乗せているのではなく、全ての色を混ぜた色が黒なんです。全ての色を全体に乗せています。」
これを描いた大岡弘晃さんが優しい眼差しと、大きな手を絵にかざしながら隣でこう語ってくれた。
“いのちたち”を表現しているこの作品はわたしの目には「全て」というものに感じた。
この絵が彼の全身を使って、今世の全てを使って、魂の記憶全てを使って、躍動して描かれたようなそんな力強い印象があった。
わたしがこれをギャラリーで見るに留まらせず、自分のテリトリーに迎えたい自分のものにしたいと思ってしまったのは絵そのものの命を心の震えと共に感じてしまったからだ。(そしてわたしがこの生命をこれから育むぜ!的な、、?)
今回驚いたのはアーティストご自身がわざわざ自宅に絵を設置に来てくださり、さらにはそれに合わせて壁にアートしてくれるという贅沢な機会を得たことだ。
単に絵を買うという行為を超えて、それはわたしにとってかけがえのない経験となった。
空間をアートしてもらうなんて、これほど贅沢なことはない。
合わせて一目惚れしてしまったこちらの石膏も迎えた。(目を閉じても見える光と書いてある)
壁の文字は大岡さんのインスピレーションで、愛についてと楽園(sanctuary)への鍵などこの世界の秘密の暗号が描いてあるみたいでなんだか楽しい。
(tamashiiiii〜!すき。)
これまで殺風景でどうやっても素敵にできなかった玄関スペースが
このためにあったのかと思わされるくらい最高の空間に。
ここに身を置くたびにいのちから派生するパワー、エネルギーをもらえる。はあ、素敵すぎてずっとここにいられる。
設置してもらう直前に、上に金箔を施してもらってそのリフレクションが強いオーラのようになっているのも胸熱ポイント。
本当に出会えて、迎え入れられて、最高の最高をいく経験になった。
絵は物質を超えた経験そのものである。
そんな風に自分の中で目に見えないもののパワフルさや凄みを確信するものになった。
最後に、こちらの絵を購入した場所はご近所にある素敵すぎるギャラリーgallely kasperさん。
美術館に行く以上にアートや芸術との対話が濃く体験できるとても大好きな場所。
オーナーのまおさんの本物を見る目、自分の世界観に優しく融合させる力は心底憧れるし尊敬でしかなくて、とても信頼している方。まおさんのその存在からいろんなことを学ばさせていただいる。