暗がりが早まり、そして寒くなった。
お店も17時の閉店時間にはすっかり陽が沈み、冬の表情を見せる。
こんな私にも年に数度だけ数字を追うことがあってそういう精神状態で目標に向かって走り終えた先日のこと、反動というより本音なのだがやはり私は何事にも気楽さを持って日々を過ごしていきたいと思うことがあった。
お店だってたくさん開けてみても、限られた中でしか開けられなかった時の方が実は来客数が多いのでは、なんて気づいたりもして。馬鹿みたいにバッターボックスに立ってみてはバットを一生懸命振っている自分を滑稽に思ったのだ。しかしながら私は、そんな風にバットを愚直にそして内心面白がって振り回し続ける自分が好きだったりする。馬鹿みたい、という表現もマジョリティの意識ではないという我が道感があって痺れるし、ボールが当たろうが当たるまいがそもそもボールすら存在してなくともひたすらにやる、その感じにたまらなく震えてしまう。
これまで自分が信じていた成功セオリーは、私にとって今や真理ではなくなってきている。感じるものが新しいこと、行ったことも想像もしたこともないような境地に出会えた時たまらなく興奮し、自分の深いところでの拡がりを感じる。その感覚が何よりも欲しくてたまらないからこそ、頭で信じてきた真逆のことをやり続ける。
一見うまくいくことに固執しなくて良い。一見うまくいかないことを手放さなくて良い。
いろんなことを露出しすぎる傾向にある昨今、誰に見せるためでもない、誰かが表面的に謳っている言葉などには聞く耳を持たず、自分の深い感覚だけを頼りに自分だけの道を追求したら良い。
淡々とそう在ることは、自分だけの強い光を解き放つのだと私は確信している。