B

ビオディナミワインとは?

いわゆるオーガニックワインとして認識されている有機農法ワイン(ビオワイン)や自然派ワイン(ヴァン・ナチュール)とは定義が異なり

ビオディナミワインは化学品を排除するだけではなく宇宙の天体の動きや全体という思想を基にブドウ本来の潜在した力をより大きく引き出す造り方をしたワインを指します。

この記事ではビオディナミワインの特徴を大きく3つに分けて解説してまいります。

ビオディナミワインとビオワインの違いは?

ビオディナミワインはビオワインの一種であるということがまず前提に挙げられます。つまりビオディナミワインであるということは大前提にビオワインでなければなりません。

ビオワインは化学除草剤などを一切使わず、ワイン造りにおいても酸化防止剤などの添加量がごく少量であることが義務付けられています。その条件を満たした上でさらに厳しい規定をクリアしたもののみがビオディナミワインとして認定されているのです。

さて、規定といってもビオディナミワインの造り方はどこか非科学的であり、それは一般的に考えられる農業を超えた造り手の思想、哲学、在り方、はたまた宇宙的な概念が溢れ出ています。

独特です。とかく目に見えないものを大切にします。だからこそ、ビオディナミワインをいただくときにはワインそのものだけでなくその壮大な背景をも楽しむことを可能にしてくれます。

ビオディナミワインは天体の動きとともに造られる

ビオディナミワインは宇宙の流れや天体の動きを基にブドウ栽培が行われます。

これはビオディナミワインについてもっとも面白い特徴であり、ビオディナミの考えの根底にある宇宙全体との調和という在り方を示しています。

天体の中でも特に月の満ち欠けのリズムに注意を払いながらぶどうの栽培、収穫、ワインの醸造、瓶詰め等を行います。

月には主に2つのリズムがあり一つは満ち欠けの周期、そしてもう一つは高度の周期があります。満月の時、また月の高度が高くなる時期は内から外へ力が湧き出し、「外面化、拡張、成長の力」が高まります。反対に新月の時、月の高度が低くなる時期には、「内面化、凝縮、将来のための蓄え」をする時に当たります。

これらの周期を基に考案された「種蒔きカレンダー」というものに従って耕作、調合剤の散布、収穫などの農作業を行う日を決めるのです。またブドウ造りだけにとどまらず、ワインの醸造や瓶詰めのタイミング、樽の材木の伐採日といったところまで、こういった天体の動きとその作業内容とを調和させて行うのです。

そうすることでブドウや畑、そしてあらゆる作業の潜在的に秘めているポテンシャルを最大限に引き出します。

これは造り手が畑やブドウ、ワイン造りそのものをそこだけ切り取って見ているのではなく、それらを広大な宇宙の一部として捉え、全体の影響を強く受けているというものの見方をしているためです。

ビオディナミワインは土地本来の力を最大限に活かす造り手の考え方をもとに造られる

ビオディナミの考え方は、土地本来の力を大きく活用することが基になっています。またブドウの病気に対する見方が東洋医学的であることが特徴のひとつとして挙げられます。

すなわちぶどうが何らかの病気にかかった時には、ぶどう単体で症状を見るのではなく土地レベルで包括的に考え、それを自然界のバランスが崩れたサインと見るのです。

そのためにすることはブドウそのものに薬を投与して一時的に治そうという西洋医学的な手法ではなく、なぜ畑がバランスを崩したのか土の健康状態を把握すること、そしてバランスを整えていくという行為です。

具体的には自然界に存在するもののみを由来とした植物の煎じ薬を調合し散布したりします。もっとも代表的なものとしては雌牛の角に牛糞を詰め、それを一定の期間土に埋めて取り出したのち雨水と混ぜて一時間もの間渦巻の水流を形成させて攪拌させたものがありますが、書いていてなかなか不可解です。ただその一つひとつにはきちんと意味があり宇宙と常に調和しており、その作業はどれほど繊細で緻密であるか、想像するだけで謎に頭が上がりません。

ただ、科学的根拠としてはまだまだ証明されていない部分はたくさんありますし、怪しまれている手法であることも事実です。ですがこの造り手の想いや自然界の本質を感じずにはいられないビオディナミワインの存在は上記に述べたことから、自然派ワインとは全く異なることがお分かり頂けると思います。

古くからの物の見方を大切にし、ワイン造りを宇宙の流れの一つと捉える造り手からのこういった強い意志や働きかけがビオディナミワインを素晴らしいものにしていることは間違いないでしょう。

まとめ

以上ビオディナミワインの3つの特徴をお話しさせていただきました。

書きながら、人智を超えた本質の在り方とも捉えられるこのワイン造りに改めて心を奪われてなりません。消費者であるわたしたちすらももはやこのワイン造りの全体の流れの一部である気がしてワインをいただくことすら壮大に思えてきます。

ぜひビオディナミワインを飲むときには月の満ち欠けや宇宙の流れを意識して自己の内面、外面と向き合いながら楽しむ、そんな新しい素敵な時間にしてみてはいかがでしょうか。

みなさまのワインライフがさらに豊かになりますように。

ワインライフクリエイター

岡本佳苗